2008年12月13日土曜日

バッテリー上がりの夜空に

バッテリーが完全にイカれたことはお話しした。
バッテリー液が無くなって、電極が完全に剥き出し状態だった。
JAFの隊員の方から、もう復活は無理だと太鼓判を押される有様だ。

翌日近くのカーショップで一番安いバッテリー補給水を買って来た。
今更「強化」だの「ゲルマニウム入り」だの「電極復活」だの、高い補給水は無駄だと判っていたからだ。

夜の駐車場で指定水位までバッテリー液を補水した。
案の定スターターはウンともスンとも言わない。

昨晩に続いてJAFを呼んでエンジンをかけてもらう。
もう蓄電能力がないから、エンジンを切ったらまた終わりだと念を押された。

無性にドライブがしたくなった。

最近忙しくてずっと真珠鼠に乗っていなかった。

深夜の行く先の無いドライブ...

ラジオも点けず、ただただ国道を流した。

いつになく真珠鼠が静かに、哀しく走るように感じた。

寒く澄んだ夜空のもと、真珠鼠との無言の対話が続いた。

何処にも連れて行ってもらえず、きっと拗ねていたに違いない。

近くてもいい、何処か旅に出よう...そう約束して短いドライブは終わった。

私を見送るドアロックのハザードランプが少し嬉しそうに点滅した。

バッテリー上がりの夜空に。